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劇場版(新訳)機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛

新宿外して錦糸町で見てきた。


大局的なストーリーは変わっていないので、キャラクタの生死は旧作通り。戦場で次々と死んでいくのは、過去の黒トミノ成分が残っているけれども、破滅的なZをこれだけ前向きな形に転生したことに、只々感無量。

しかし、カミーユが救われて、ファと抱き合って喜ぶという生の表現が余計に、死んでいったキャラクタを色濃く沸き立たせる。

エマ・シーンの「たくさんの人が、あなたを見守っているわ・・・」、見届けたカミーユの「エマ中尉、カミーユビダン、行きます」に涙がにじんだ。


ラストバトルの突撃でヘルメットのバイザーが割れるシーンはカミーユ崩壊の象徴であったと思う。それを残しておいて、その後ヘルメットを自ら交換したというのが、TV版旧作からの生まれ変わりの象徴だろう。

サエグサの実況と、抱擁というより駅弁(ry、Zガンダム股間から覗く太陽で、これでもかと、しつこい位に生の描写をしている。

その直前の、突撃でシールドパーツが外れたウェーブライダー形態からのモビルスーツ形態への緩やかに変形していくZガンダムを、「生まれたての子馬が立つとこ」と表現していたレスを見て、なるほど納得。


ハマーン・カーンは圧倒的存在感だがしかし丸くなった。
ミネバ役の子は、如何にも子役の舞台演技で、傀儡らしく言わされている感が出てて健気さが可哀想なところが良かったと思う。


福井晴敏氏が公開前に執拗に、続きが、ZZが見たい、というのも共感できる。この新訳Zの勢いで作られた白トミノ版新訳ZZが見てみたい。


旧作Zガンダムは、破滅的な最後と共に視聴者に大きな傷痕を残したタイトルだった。それが20年を経た今、改めて作り直して、カミーユを救ったんだ。意識を肥大化させて精神を壊したのではなく、愚直にも肉体回帰を謳ったんだ。それを噛み締めたい。


3部作お疲れ様でした、そしてありがとう。