とぴやまのブログ(アーカイブ)

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PSP、現在222MHzで稼働中

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0323/kaigai166.htm
後藤弘茂のWeekly海外ニュース 今のPSPが2/3の性能しか発揮できていない理由


(2005/06/14付) どうやら、レジスタ操作による333MHz動作が確認された模様。ソフトメーカ向けに正規に配布されているカーネルドライバでクロック固定しているが、それを無視して、それ相応の操作をすることで333MHzにクロックアップを図ることが出来る、ということで FA みたいですね。以下は修正を取り消します。

スミマセン、ちょっと訂正のために書き足します。(2005/04/16付)

カーネルレベルで222MHzに固定」されているということと、「ハード的には現行PSPも333MHz動作できる」ということは、リンクしません。上記のimpressの記事や、、下に追加した PlayStation.jp のサポート情報では、今現在販売されている PSP が 333MHzで動作するようになる、とは書いてありません。下の2段落(ここからここまでの部分)は、間違っているかもしれません。本当のところが分からないので何とも言えません。 <(_ _)>

222MHzというのはソフトウェアにより設定しているということなので、ハードウェア制限ではない。だから今現在販売されている PSP が今後も 333MHz で動作しないという訳ではない。(ファームウェアアップデートか、ゲームソフトとして対応ドライバが組み込まれるか)

現状ある、クロック設定APIを使って 333MHz を設定しても222MHz のまま、だそうだ (→ http://d.hatena.ne.jp/satox/20050323 *1 )。 しかし今後、333MHz 対応の CPU クロック変更機能が組み込まれれば 333MHz 動作は可能であるだろう。


333MHz対応のクロック変更機能が実装されても、旧来の 222MHz 動作のソフトウェアがCPUクロックアップを理由に動作しなくなることはない。なぜなら、旧来のソフトを動かすと 222MHz で動作するように動的に変更されるからだ。

もっとも、333MHz で動作させるとすぐに充電を消費してしまうため、NotePC のバッテリ稼働時のように瞬発的に処理速度が欲しいときだけに限られ、通常は従来通り最高速よりも遅いクロックで動作するだろう。

私は、公式にアナウンスしている性能と異なっていることは問題あるとは思う。が、ゲームにおいて、ゲーム機のマシン性能は二の次の問題であると思う。


で、仕事で組み込みソフト(しかもミドルウェア)を扱っている身としては、「メモリ管理」についての記述の方が気になった。

メモリ管理で、カーネル領域に8MBを固定で割り当てているというのが何とも微笑ましい。この CPU Details の写真 では「No TLB」とあり、こちらの Operating System の写真 では「User modules: Be careful of memory fragmentation」とある。この2点から、PSP用OSではメモリをページ管理していないことが推測できる。ページ管理していないからこそ、カーネル空間のメモリサイズが8MB固定になっているのだ。(モジュールがリロケータブルなのにページ管理していないとなると、アプリケーションソフト開発は結構大変そうな…)

カーネルモジュールも動的に出し入れできる、とあるので、今動いているPSPでは8MBをフルには使っていないだろう。MPU内の組み込み DRAM (eDRAM) が 8MB であるのでその数字がキリ良く、また将来的に 8MB 位使うんじゃないか、という予想的見積もりで決めているのではないだろうか。(勿論これもソフトウェア上での決まりなので、将来的に変更される可能性はある)


バッテリ稼働の機械の組み込みソフトを作っている人間からすれば当たり前のことなのだろうが、ソフトの実装によってバッテリ稼働時間が変わる。「何処何処の何というタイトルは電池の持ちがよいらしい」というような技術勝負がゲームソフトの上で展開されるのだろうか?

ここで取り上げたいのが MSX英雄伝説FDDへのアクセスが最適化されていて、フィールド画面から戦闘シーンに移るときに発生する読み込みが 1,2回、前回戦ったNPCならキャッシュされていて 0回だった。スピーディでとても快適にプレイできたものだ。当時は勿論、十数年経った今でも感心し、心の励みにしている。

そのような方向性は、組み込みプログラマの一人としては、とても面白いので期待。


以下余談 (妄想&戯言)。

  • 333MHz 動作を諦めてハードウェア的に 222MHz 上限のものを製造してコストダウンを計るという方向性もあるかもしれない。
  • MPU内に実装されている DRAM (eDRAM) が 8MB なので外付け DDR は 24MB。eDRAM を 32MB 化して外付けを廃止することでコストダウンが計れる?
  • 疑問が一つ。222MHz固定と言うことは、省電力モードが無いのだろうか? 例えば、メモリースティックで音楽を聴く程度なら、大してマシンパワーを必要としないのでもっとバッテリが長持ちするのではないだろうか?
  • 未使用カーネルメモリを使う方法としてカーネルモジュールを独自に組み込む輩が出てくるだろうか? つまり使用しないドライバをメモリ上から取り除いて、空いたメモリ空間を使用するための独自のドライバモジュールを組み込むのだ。(UMDから読み込むソフトで勝手にドライバモジュールを Install できるかどうかは知らないので適当な戯言だが。そして、こんな実装をすると、将来の仕様変更で動かなくなる可能性もwww)


2005/04/16 追記:(どっかの誰かさん thx!!)

http://www.playstation.jp/info/qa.php?pid=&cid=496&sid=1
■サポート情報 "PSP"のCPUの動作周波数はいくつですか?

現時点では動作スピードや消費電力など携帯型機としての様々なバランスを考えて、ゲーム動作時の動作周波数を222MHzに設定していますが、CPU及びシステムの最大動作周波数は333MHzとして設計されています。
また、"UMD"Video対応ソフトウェアで映像、音楽などを再生する場合も、現時点ではゲーム動作時と同じ動作周波数(222MHz)に設定しています。

*1:2005/04/16 追記: 参照先記事削除のためトラックバックリンク解除。いろんなところに転載されちゃってるけど。